会長挨拶

第15回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会
会長 森 弘樹
(東京科学大学 形成・再建外科学分野 教授)
この度、第15回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会を2027年10月7日(木)・8日(金)の2日間にわたり開催させていただくこととなりました。
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会(JOPBS)は、「乳癌手術における根治性と整容性の追求」を理念として、日本乳癌学会と日本形成外科学会が中心となり設立されました。乳癌診療は近年著しく進歩し、薬物療法や放射線治療の発展、内視鏡手術やロボット支援手術、脂肪注入などにより、治療戦略は大きく変化しています。乳癌患者数は依然として増加傾向にあり、治療成績の向上だけでなく、患者一人ひとりの生活の質(QOL)や整容性への配慮も、乳癌治療における重要な使命となっています。一方で、乳房再建率は欧米や韓国と比較して低く、地域格差も大きい状況が続いています。このような時代だからこそ、乳腺外科医、形成外科医、さらには看護師、リハビリテーションスタッフをはじめとする多職種が専門領域の垣根を越えて議論し、協働する場の意義はますます大きくなっています。
今回の学術総会では、メインテーマを「Scientific and Artistic Oncoplastic Surgery」といたしました。
オンコプラスティックサージャリーは、腫瘍学と再建外科が融合した学問です。腫瘍の根治性、安全性、合併症の低減といった側面は、「Science」に基づいて検証されなければなりません。一方で、乳房の形態や左右対称性、さらには患者一人ひとりが「自分らしさ」を取り戻したと実感できる仕上がりを実現するためには、数値やエビデンスだけでは表現しきれない「Art」の要素が存在します。美しい乳房を再建することは、患者の自己肯定感や社会復帰、QOL、そして患者報告アウトカム(Patient-Reported Outcomes: PRO) の向上にも深く関わる重要な治療目標です。
ScienceとArtは互いを補完し合う両輪であり、その融合によって初めて真に質の高いオンコプラスティックサージャリーが実現します。本学会では、特別講演、シンポジウム、パネルディスカッションに加え、ディベートセッションも設け、乳腺外科医、形成外科医、コメディカルがそれぞれの立場から自由闊達な議論を交わし、Science、Artの両面からオンコプラスティックサージャリーの未来を考える場を提供したいと考えております。
今回は東京・大手町プレイス ホール&カンファレンスにて開催いたします。大手町駅直結、東京駅からも徒歩7分とアクセスにも恵まれた会場です。秋の東京で全国から多くの皆様をお迎えし、ScienceとArtが交差する活発な議論を通じて、新たな知見やつながりが生まれる学術総会となることを願っております。皆様とお会いできますことを、心より楽しみにしております。